Mr. PaulのLes Paulにまた一歩 Bigsbyの付いたLes Paul

毎度私事で恐縮だが、半年ほど前に御茶ノ水の中古楽器店で中古のLes Paulを買った。2008年製のGibson USAのLes Paul Deluxeである。2008年にLes Paul Deluxeが出てたとは知らなかったが、まあ、出ててもおかしくはない。

 

値段は10万円代前半だった。Deluxeはそんなに人気機種じゃないし、色々改造箇所もあるのでまあ妥当な値段だったと思う。Les Paulを買うのは2台目だが、それ以前からもし2台目を買うならP-90の付いたLes Paulにしようと思っていたので、Les Paul Deluxeならザグリを加工しなくてもP-90が載せれるので即決して購入した。

このLes Paulに前のオーナーが  BigsbyのB7を付けていたのである。

 

ここが気に入った。

殆んど試奏もしないで購入した。かの Les Paul氏もBigsbyの付いたLes Paulを弾いている。Les Paul Recordingとか Les Paul Personalに大体必ず Bigsbyをつけて弾いている。古いところでは50年代前半の頃のマリーフォードと一緒にゴールドトップを抱えている写真のモデルにもBigsbyが搭載されている。

 

確か、Les PaulはLes Paul modelを開発する際にトラペーズテールピースを推薦したはずだが、本人が使用しているギターのテールピースには大体必ずトレモロが付いている。レコードなんか聴くとフレーズの最後にのばすときは大体トレモロをかけている。レスポールさんトレモロ好きだったんだろうな。

 

だから私もP-90とBigsbyが付いてるというだけで気に入ってしまい、購入した。

 

ブラックボディにビグスビーが付いていると、Neil Youngのファンなのかと思われたりするんだろうが。Neil Youngは好きだけれど、ギターを真似するほどは好きじゃない。カッコイイと思うし、彼のギターのセレクションもすごくいい趣味だなと思うが、彼のやつは50年代だから随分音も違うだろうし。EbonyフィニッシュのLes ポールを買ったのはたまたまそれが Ebony Finishだったからである。本当はGold Topなんかがいいかと思っていた。

 

買ってみて弾いてみると、プツプツとノイズが出る。何も弾かないとノイズが出ないのに、弾くと出るのである。

 

ああ、アース不良だ、

 

と思い、すぐにBigsbyを外してアースの引き回しをチェックした。

案の定、テキトーなアースの取り方だった。 Bigsbyを後付けする場合、 Stop Barテールピースを外して付けるので、元々テールピースに繋がってるアースが取れなくなってしまう。

前のオーナーはビグスビーに針金をかませて、バネ状に巻いてテールピースのスタッドの穴に突っ込んでアースを取っていた。これではアース不良が起こってしまう。

普通ならスタッドを抜いて、アース線を引っ張りださなければならないのだが、これをやろうとしたが、素人に簡単にできるような作業じゃない。めんどくさいのでやめた。

 

代わりにVibrateから出てるV7−LPってやつを買ってきた。BigsbyをLes Paulに装着するプレートである。

 

これは、とても便利で、穴あけ加工とかそういったことを何もせずにBigsby  B7をLes Paulに付けれてしまう優れものだ。値段も1万円しない。その上、これがズゴイのは、アースの引き回しの問題を解決してくれるのだ。Vibramate V7-LPってやつを固定するためにテールピースのアンカースタッドにネジ止めするため、同時にアースも取れてしまう。

 

これのおかげで、アースの問題は解決した。

ヨカッタヨカッタ。

 

気になるのはBigsby付きの Les  Paulの音である。

殆んど試奏しないで買ったのだから。

今まで何台かBigsby付きのギターを買ったり、自分で付けたりはしていたので大体の想像はしていたが、想像していたのより悪くなかった。

 

テレキャスターにビグスビーを付けたりすると、ちょっと低音弦の音がぼやけるのだが、Les PaulはBigsbyのテンションバーとブリッジの間隔が近いおかげか、それほど低音のクリアさは損なわれない。

 

まあちょっと大げさに言うと、アタックの感じが

 

グワーン

 

ってな感じになるのだが、まあそれが好きで  ビグスビーつけてるんだから文句はない。ちょっとサスティーンも落ちるかな。

 

今回買ったギターにはローラーブリッジが付いているのだが、こっちの方が良くないような気がした。あんなコロコロ転がるサドルでいいのか?あれなんか相当レゾナンス悪そう。今度どっかでTune-O-Matic見つけたら、付け替えようかと思っている。

 

まあテールピースにあんなバカでかいもん付けるんだから、音が変わらないってことはない。もし、あなたのレスポールが透き通るようなサウンドで、アタックが繊細で好きっていうなら、やっぱりBigsbyはオススメしない。そのままで使ったほうがいい。

 

チューニングの安定が悪いとかいう方もいるが、そりゃしょうがない。

あんなバネ一本でテンションのバランスとってるんだから。

バネを固いやつにすれば少しは安定性良くなるかもしれないけれど、バネは元から付いているやつの感触がなかなかいいので、あんまり変えようという気分にはならないかもしれない。

ペグをロック式とかにして、なるべく弦が緩んだりたわんだりするところ減らせば、ずいぶんマシになると思うけれど、ロック式のペグって、ちっちゃい部品で弦固定するわけだから、音にはずいぶん影響あるしな。

 

でも、良いんだよ。

そういう犠牲も分かった上でLes Paulさんだってビグスビー付て使ってたんだから。