雨の午後、独りエディー・コンドンを

ねえさんはそれをオッサンくさいと言っていたけれど、僕はハーレーのソフテイル、その中でもファットボーイが好きだ。いつか大型バイクに乗れるようになったらよくメンテナンスされた中古のソフテイルにウインドシールドをつけて乗りたいと思う。ほんとにそう思う。その時、ねえさんと僕がまだ接点を持っているかどうかはわからないけれど、そんな僕のソフテイルをみて「しょうがないわね」っと笑って許して欲しい。オヤジくさくなった私を。

 

そんなことを考えながら「空気さなぎ」、いや『1Q84』をさっきまで読んでた。だから、ちょっと村上春樹にかぶれたようなキザなことを書いてみたくなった。

 

今日は随分雨が降ったみたいだ。たぶん、あの震災の後遺症だと思うけれど、私の会社は自然の猛威にナーバスになっている。今日も12時過ぎには帰宅し、自宅勤務をするように指示が出た。正確には指示が出たというよりも、自発的にみんな帰宅した。

帰宅してもやる仕事がたんとあるのなら自宅勤務も出来るだろうけれど、あいにく私の手元に自宅で作業できるようなことはあまり無かった。だから、ちょっとだけ自宅で作業をして、それで、パソコンの前で本を読んでいた。

 

つい先日村上春樹の『1Q84』が文庫化されたのでそれを読んでたんだけれど、なんだかこのお手軽な文学気分にちょっと気恥ずかしさを感じながらも、そこそこのめり込んでしまった。のめり込んで、続編が読みたくなってBook 2のハードカバーを買って読んだ。写真集以外でハードカバーの本を買ったのはいつぶりだろうかと考えると、おそらく数年ぶりではないかと思う。いや、そんなことも無いか。

 

それで、まあ村上春樹を読んでる分には特に困ったことはないんだけれど、30を過ぎた健康な男が仕事もしないで、平日の午後家で本を読んでるだけでは、果たすべき責任を果たしていないような気がした。その責任問題の云々を考えだしたら私の人生とってもお粗末なんだけれども、少なくとも毎日朝会社に行って、夜まで働いていたらそういうことを考えないですむ。

 

それで、ちょっと後ろめたさを感じながら4時頃になって、ちょっと音楽でも聞いてみようかと思い、エディーコンドンの『Bixieland』をかけた。最近新調したCDプレーヤーはすこぶる調子がいい。アマゾンで1万5千円弱だったけれど、充分その役目は果たしている。前まで使っていたCDプレーヤーが壊れてからもう一年以上DVDプレーヤーでCDを聴いていたので、この安物のプレーヤーでも驚くほどCDの臨場感が出るようになった。うれしい。

 

それで、外は豪雨の中、寝室で寝転び本を読みながらディキシーランドジャズに耳を傾けた。こういう音楽は、ちょっと気になって立ち寄った喫茶店とか、ジャズバーとかにいかない限りは耳にしない類いの音楽ではあるけれど、我が家には何故かこのCDが在った。以前、ジャズギターにハマった時買ったのだけれど、あんまりギターの参考にならなかったからそのまま忘れ去られていたのだ。

 

そもそも、私はディキシーにはあんまり詳しくないんだけれど、モダンジャズもあまり好きではない。ジャズはシンプルでオールドファッションの方が好みである。だから、エディーコンドンの音楽そのものはとっても素敵で味わい深いと思う。好きじゃない人にとってはなんだかおめでたいジャズの演奏だとしか思わないかもしれないけれど、エディーコンドンのバンドは、演奏のクオリティーが高いのはもちろんのこと、節度をわきまえているところが素晴らしい。名人の集まりんなんだけれど、只の名人芸合戦になっていない。音楽として収まりがいいように、演奏に節度があり、余裕がある。その余裕が、こういう手持ち無沙汰な夕方にちょうど良くマッチする。

 

私の音響機材はそれほど高価なものではないけれど、一般家庭の平均的な音響機材よりは良い音のする機材だと思う。こういう音響機材を持っていて良かったとつくづく感じた。今日、こうして手持ち無沙汰な午後にエディーコンドンを聴くために私のステレオセットはあるのかもしれない。

 

話は変わるけれど、今欲しい本がある。値段は3000円程なので、買おうと思って買えなくはないけれど、はたして買ったところでその本を開くことがあるのかと考えると、ちょっとわからない。その本とはイラストレーターとか漫画とかを書く人向きの少女のヌードポーズ集なんだけれど、絵を描かない私にはまったく必要がない。けれども、少女のヌード(モデルさんは多分大人なんだけど)をこんなに沢山開けっぴろげに掲載している本は今後出ないかもしれない。それにこの本自体、本当に絵を描くためのポーズ集として出版されているかどうかも疑わしい。おそらく私と同じように少女のヌードに萌え〜っていう人たち向けのほんなんだろうけれど、それでも構わない。ヌードの写真集の中でも一つの完成された形として、今後マイルストーンになるような出版物だと思う。丁度広辞苑とか、そういった類いの出版物のような存在といえば良いのでしょうか。

 

とにかく、持っている人が居たら感想を聞かせて下さい。僕は今までに2回程立ち読みをしましたが、立ち読みではなく自宅でまじまじとみたいとおもうのです。