国破れて山河あり.春はいつ訪れるのか

今日昼休みに写真弘社のギャラリーで杵島隆の写真を見た。植田正治の影響なのだろうか、それともその時代のはやりなのか、マンレイのような即物性とシュルレアリスティックな写真だと思った。何となくその時代性を感じさせる要素が強くてなかなか写真そのものに集中しずらい展示であったけれど、植田正治さんの写真に比べるとちょっと親しみやすく、悪くいえば田舎くさい写真だった。

 

もう、ずーっと写真からはなれてしまったので,以前のように写真を鑑賞する機会は減ってしまったけれど、たまに見るのは良い。これからも機会を見つけて見に行こうと思う。

 

今日は大学の話を少々。

青山テルマさんっていう歌手が5年半で大学を卒業したとのニュースを読んだ。お仕事をしながら大学を卒業されて、エラいもんだと思った。

 

実は、かく言う私も大学を卒業するのに5年半かかってしまったクチである。私の場合は別にお仕事をしていたわけでなく、専業学生であった。それでも、5年半もかかってしまったのだから、何とも情けない。けれども、両親や先生のおかげで、なんとか大学を卒業できた。今でも、時々まだ大学を卒業できていない夢を見る。秋になって大学が始まるのだけれど、何日も大学を休んでしまう夢だ。

 

私の場合、大学が嫌で嫌でたまらなかった。友達はどんどん卒業していくし、憧れの女の子達は当たり前のように進級していくのに、僕だけ何年もずるずると留年してしまう。それとともに大学から足が遠のいていく。ますます単位が取れなくなる。大学3年生の年にはたったの4単位しかとれなかった。ほとんど学校に行かなかった。夜眠れず、明け方まで起きていて、8時半頃に眠たくなって寝る。起きたら夕方。居酒屋に行って夕ご飯を食べる。部屋に戻る。そのまま眠れずに明け方まで起きている。この繰り返しで毎日が過ぎていく。それで、気がついたらテストの季節になっているのにまだ履修登録をしていない。

 

こんなどうしようもない生活が約4年半続いた。だから、青春時代の約4年半は昼夜逆転して、何も出来ないまま過ごしてしまった。

 

青山テルマさんみたいな方と私を同列に語ってはいけないと思うけれど、青山さんもきっと大学に行けなかったりして、時間だけが過ぎていって、私と同じように焦燥感だけを胸に過ごした日々も在っただろう。そんな中、大学をやめずに卒業されたのはとってもエラいと思う。

 

大学時代なんて、要領よく出来る奴らはトントン拍子に進級して、良いとこに就職が決まり、4年で卒業していくもんだけれど、僕みたいにドロップアウトしかけているものにとっては、苦痛以外の何ものでもない。それで、そのままドロップアウトしちゃう人もいれば、僕みたいに運良く卒業できるやつもいる。

 

留年したり落第したりしているうちに、どんどん大学がいやになっていく、それで自然と大学から足が遠のく、生活習慣が乱れる。そのまま、大学以外でも何もしないまま時が流れていく。自分が嫌いになる。

 

今だってそんなに楽しい毎日じゃないけれど、大学に居た頃に比べるとよっぽど充実している。もう二度とあの頃には戻りたくない。もう二度と大学生にはなりたくない。