4年程前のブルースロックの新たな可能性。Jack White

私は新しい音楽に疎くて、音楽関係の仕事についていながらこのざまなのは誠に恥ずかしい。誠に恥ずかしいが、世の中には沢山の音楽があって、なかなかすべてをカバーすることは難しいので、勘弁頂きたい。

 

それに、新しい音楽で聴いてみたいと思う音楽があまり無かったのも事実だ。私はCDのほとんどをタワーレコードヨドバシ秋葉店で買っているのだけれど、どうもタワレコのバイヤーと趣味が合わないらしい。そのことに数年前気づいて、それからはアマゾンを利用しているのだけれど、アマゾンのレコメンドはベタなCDばかりなのでつまらない。だから、とりあえず雑誌とかで気になったバンドをYou Tubeでチェックしたりしているのだけれども、なかなか好みの音楽に出会うことは無い。

 

好みのサウンドを求めている一方で、今まで見向きもしなかった音楽を求めている。この度晴れて、そんな音楽に出会うことができた。

White Stripesについては、その存在は知っていた。ギター雑誌に時たま登場して、その愛用のKayのギターがまさに私の好みで、それが嬉しくて気にはなっていた。しかしながら、Jack Whiteの個性的なボーカルに耳が慣れなくて、CDを買ってまで聴くことは無かった。

 

しかしながら、この度ギターマガジンでJimmy Pageがジャックホワイトをべた褒めしていたので、それでは聴いてみようかという運びになった。Zeppelin方面からのホワイトストライプスとのコンタクトは言ってみれば必然だったのかもしれない。ホワイトストライプスはブルースをベースに持ちながら、ロック、フォーク、の様々な分野へその手を伸ばしている。まさに、現代のZeppelinのような存在だ。そして、その音作りがきわめてシンプルでありながら、全く新しいサウンドを提供していることに、全く感動した。

 

とりあえず、デビューアルバムを聴いてみたのだけれど、今更だけれど、凄く好きになった。この感覚は、レニークラヴィッツの「自由への疾走」だったっけ、あれを聴いたときくらい新鮮だった。古いロックのサウンドがこれほどまでに新しい形で再現されるとは。

 

もちろん、そこには、ジャックホワイトのギターの趣味がとってもワンダフルであるということに依る贔屓もあるのだけれど、彼のギターサウンドは力強く、ブッカホワイト(ホワイトつながりか)や、ブラインドウィリージョンソンその辺りのブルースマンのギターのような力強さがある。

 

ボーカルは、ロバートプラント並みに表現力に満ちている。それと呼応するドラムのサウンドの重さが、Zeppelinを彷彿とさせるのだが、私はZeppelinもあんまりしっかり聴いたことがないのではっきりとしたことは言えない。

 

私はブルースロックのマンネリ化を感じ、しばらくブルースロックからは遠ざかっていたのだけれど、こんな形でブルースロックと再会できるとは思ってもいなかった。嬉しい再会である。いや、ホワイトストライプスをしてブルースロックと呼んでしまったら、彼らの幅広い音楽性のごく一部しか語れなくなってしまうのだけれど、それを恐れずに言うと、ブルースロックの可能性はこれで20年分程広がった。

 

最近の洋楽の新譜あんまり聴いていない方は、是非聴いてみて下さい。結構良いですよ。

 

きょうは、本当はTower of PowerのYou're still a young manがいかに素晴らしい曲かについて書こうかと思いましたが、やっぱりWhite Stripesの紹介をさせて頂きました。