AC/DCはバッハのように美しい。

わたしあんまりヘビメタ聴かないのだけれど、かつてヘビメタ専門のギター屋さんで働いていたことがあって、ヘビメタについて随分勉強になりました。

 

ヘビメタのギタリストで特に人気のあるのは、シェンカーとか、ランディーローズとかの泣きのフレーズを弾くギタリストでした。とにかくこの二人に関するものは良く売れる。ディーンから出ているシェンカーのシグネチャーモデルとかは100万位でもどんどん売れる。シェンカー恐るべし。

 

でも、私は何となくそういう音楽には夢中になれないでいました。なんて言うか昔から速弾きギタリストって、凄いとは思うけれどいまいち好きになれない。だから、あんまりその辺の音楽は殆ど聴かないまま、その店を辞めてしまいました。

そんな私ですが、AC/DCはガキの頃から好きです。AC/DCは独自のスタイルを持っていて、それで凄く洗練されてて好きです。

 

もちろんアンガス・ヤングの刻むジャリジャリのリフもカッコいいですし、ボン・スコットもブライアン・ジョンソンのボーカルも好きです。どっちかって言うとブライアン・ジョンソンになってからの金切り声が好きです。現存するロックバンドで最もパワフルなフロントマンでしょう。

 

と書くと、大抵メタリカファンからジェームス・ヘットフィールドの方が良いとか言われるのですが、私メタリカは好きじゃないので。

 

AC/DCがあんなに洗練された音楽を奏でるのは、リズム隊(マルコム・ヤングも含めた)のタイトさによるもんでしょう。音楽がどんなにドライブしても崩れることの無い力強さを持っています。普段ヘビメタは愚か、ロックやポップスを聴かない方でも、AC/DCの魅力はわかって頂けるかもしれません。

 

私は『ボールブレーカー』の頃に聴き始めたので、楽曲も良く作られていて説得力のあるバンドというイメージだったのですが、初期の頃のうるさいだけのロックもなかなか捨てられません。ビートルズなんかよりずっとロックがなんであるかを理解しているバンドでしょう。まあ、ビートルズに匹敵する程の名曲はあまりありませんが、それで良いのです、アンガスヤングがダックウォークをしながらリフを刻んで、それがダイナマイトのように爆発するのがとても気持ちよいのです。

 

しかしAC/DCの歌詞ってなんであんなアホな歌詞なんでしょうかね。あんな歌詞の歌を毎晩歌っているブライアン・ジョンソンを尊敬してしまいます。