独りで歩く上野の雑踏。雨

日曜日は無情にも過ぎ去る、そして夜が明ければ月曜の朝だ。

月曜の朝から続く永遠とも思える仕事の日々。なんの為に生きているのかわからなくなるような、日々。嗚呼、無情。

 

今日は、夕方から雨が降り出した。昼寝の後、バイクに乗りにいって、バイクを降りて、家についてから本降りになった。しばらく部屋でまどろんでいたが、日曜の午後の雨にうたれた街はどうなっているのだろうかと気になって、うちを出た。

 

バイクに乗る時、安全を考えて、革パンをはいているのだけれど、革パンの上に着る服って、どういうのが良いのかいまいちわからない。秋冬は革ジャンを着てれば良いのだろうけれど、5月の終わりに革ジャンはちょっと暑い。何か良い服でもないかと思い上野の街を歩くことにした。

昨日、同じように夕方上野の街を歩いたのだけれど、雨に降られてすっかりしんみりとしてしまった街で、少しだけセンチメンタルな気持ちになった。

 

カメラを持ち、独りで歩くアメ横は、昨日とはうってかわって寂しく、静かで、静かな中に乾物屋や魚屋の売り声が響いて、よりいっそう静けさを増していた。静っていうのは、音が聞こえないことじゃないんだな、音がむなしくこだまする、こんなときにこそ静けさっていうものを感じるんだな。そんな夕闇が降りてくる街を撮影しながら、「独り」を感じていた。

 

現実の、自分の生活に戻る感じ、週末が終わり、元の生活に戻る感じ、それを受け止めながら、雑踏を歩く。アメ横はまだ賑わいを少し残しながら、確実に週末の終わりを告げようとしている。ああ、アメ横ってこんなに孤独な場所だったのか。

 

もう古着をみたり、服をみたりする気持ちも萎えてしまって、とりあえず写真を撮る。写真を撮ることでかろうじて上野の街にいる意味があるのだけれども、いつもアメ横を歩くときに感じるウキウキ感はない。

 

その後、妻と一緒にラーメンを食べにいった。ラーメンを食べたら少し元気になって、CDとか本とかを色々と見たりした。

 

家に帰って、マーチンのギターで吉田拓郎を歌った。こういう気分があがらない日曜の夜に吉田拓郎はちょうど良い。「外は白い雪の夜」良い歌です。